コラム

多くの会社のお手伝いをしていると、多くの悩みや課題を耳にします。
業種も規模も全然違う会社でも、意外と同じような悩みや課題を持っていることに驚きます。
日頃気づいたこと、目にした情報をコラムとし、少しでも経営者の方々の一助となるような情報を提供してまいります。

大阪・泉佐野市が「犬税」の導入を検討

大阪府泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長はこのほど、犬のふんの放置が
市内の環境を悪化させているとして、その清掃等に充てる費用を賄うために、
「犬税(仮称)」の導入を検討していることを明らかにしました。早ければ2年
後にも条例を制定する方針です。総務省によると、犬税はかつて戦後の一時期
に地方税として存在していました。しかし、現在、飼い犬に対する課税を行っ
ている自治体はないということです。

 犬のふんの放置問題は、都市部の自治体の悩みのタネとなっています。飼い
主にマナーやモラルの向上を求めることが第一ですが、強制力がないためにト
ラブルは後を絶ちません。泉佐野市では、2005年に環境美化推進条例を制定し
て、ペットのふんの放置やたばこの吸殻のポイ捨てを禁止しました。違反した
者には1,000円の過料を課すことにしています。しかし、実際の徴収例はなく、
アナウンス効果も上がっていないということです。

 こうしたことから千代松市長は、美しいまちづくりを進めるために、今後の
2年間でマナーが改善されない場合、「犬税」を創設すると市議会に説明しま
した。税収はパトロールや清掃作業の費用に充てるということですが、具体的
な課税標準や税額はまだ明らかになっていません。

 犬税は、1960年代には約2,700の市町村が導入していましたが、その後、法
定外税の整理が進み、課税団体はなくなっていました。しかし今回、再び脚光
を浴びたかたちとなったのです。

 泉佐野市は人口約10万2,000人、約4万4,000世帯で、現在登録されている犬
は約5,400匹あまり。同市は、連結実質赤字比率、将来負担比率がともに早期
健全化基準以上となっており、2010年2月に財政健全化計画を策定しました。
少しでも税収を稼ごうと、今年4月に総務相の同意を得て関西国際空港の連絡
橋を利用する行為に対して課税する法定外普通税「空港連絡橋利用税」を創設
したばかりでした。

最終更新日:2012年07月25日

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