コラム

多くの会社のお手伝いをしていると、多くの悩みや課題を耳にします。
業種も規模も全然違う会社でも、意外と同じような悩みや課題を持っていることに驚きます。
日頃気づいたこと、目にした情報をコラムとし、少しでも経営者の方々の一助となるような情報を提供してまいります。

2012年4月アーカイブ

減価償却制度の改正について

平成23 年12 月に公布された税制改正において、
法人の減価償却制度に関する規定が改正されました。

この規定は、原則として、
平成24 年4 月1 日以降に終了する事業年度(平成24 年4 月決算)の
法人税から適用されます。
この度、国税庁からQ&A が発表されましたので、その概要を整理します。

1.定率法の償却率の見直し
① 平成24 年4 月1 日以降に取得する減価償却資産に適用される
  定率法の償却率が定額法を2.5 倍した償却率(250%定率法)から
  定額法を2 倍した償却率(200%定率法)に引き下げられます。
  取得時期ごとの償却方法を整理すると、
  ● 平成19 年3 月31 日以前取得分 → 旧定率法
  ● 平成19 年4 月1 日以降取得分 → 250%定率法
  ● 平成24 年4 月1 日以降取得分 → 200%定率法
  となり、取得初年度においてこれまでより20%減価償却費が少なくなります。
② ただし、改正事業年度(平成24 年4 月1 日をまたぐ事業年度)においては、
  同一事業年度に取得した減価償却資産に2種類の償却率を適用する
  必要が生じますので、改正事業年度に限定して平成24 年4 月1 日以降に
  取得したものも250%定率法を選択して償却することができる特例が
  措置されました。この選択に関しての税務署への届出は必要ありません。
③ また、250%定率法を適用している減価償却資産の償却率を
  200%定率法に統一したい場合には、税務署へ200%定率法の
  適用を受ける旨の届出書を提出することにより、改正事業年度又は
  変更事業年度(平成24 年4 月1 日以降最初に開始する事業年度)から
  償却率を統一することができます。
  ただし、この場合は新たな調整計算が必要です。
  この届出書の提出期限は、平成24 年4 月1 日の属する事業年度の
  確定申告書の提出期限までとなります。

2.資本的支出の取得価額の特例の整備
① 平成24 年4 月1 日以降に資本的支出を行った場合には、
  その追加償却資産(資本的支出)については200%定率法により
  償却を行うことになります。
② ただし、旧減価償却資産(資本的支出の対象となる保有減価償却資産)が
  平成19 年3 月31日以前に取得したものである場合には、
  その取得価額に資本的支出の金額を加算して旧定率法による
  償却を行うことが可能です。
③ 資本的支出に関しても、1の②③で記載した経過措置の特例を
  受けることができます。

最終更新日:2012年04月16日

良質な経験で鍛える


1.本田宗一郎氏とともにホンダを世界企業に育てた藤沢武夫氏は、資金繰りなどを担当していて、夢を追う本田氏と異なり、会社の経営が心配で眠れない日が何日も続いたといいます。修羅場をくぐっていくことで、経営者はリーダーとして歩む力が磨かれます。創業者に独自の哲学や理念を持つ人が多いのも、多くの修羅場を経験したからです。

2.リーダーシップの条件としていちばん重要なことは、その役割を維持すること、途中で投げ出さないことです。また、リーダーが夢や希望を抱き続けるために必要なことは、自分を鼓舞し、危機を乗り越えるためのよりどころを、心の中に持つことです。

3.リーダー育成で重要なことは、どんな経験をくぐるか、誰に鍛えられるかです。米国で企業の経営幹部に「リーダーシップを発揮するうえで有益だった経験」について尋ねたところ、第1に「仕事上の経験」、第2に「主に上司などとの関係性」、第3に「研修」という結果になったとのことです。特に良質な経験が、リーダーになる人を鍛えるのです。

神戸大学大学院経営学研究科 金井 壽宏教授のコラムからでした。

最終更新日:2012年04月06日

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