コラム

多くの会社のお手伝いをしていると、多くの悩みや課題を耳にします。
業種も規模も全然違う会社でも、意外と同じような悩みや課題を持っていることに驚きます。
日頃気づいたこと、目にした情報をコラムとし、少しでも経営者の方々の一助となるような情報を提供してまいります。

23年度査察は192億円の脱税を把握

 いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調
査され、検察当局に告発されて刑事罰の対象となる。国税庁がこのほど公表し
た今年3月までの1年間の平成23度査察白書によると、査察で摘発した脱税事件
は前年度より1件少ない195件、脱税総額は前年度を約56億円下回る約192億円
だった。1件当たりでは同1,300万円少ない1億200万円。検察庁に告発した件数
は前年度より39件少ない117件となった。

 平成23年度1年間に全国の国税局が査察に着手した件数は195件、継続事案を
含む189件(前年度216件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、
うち61.9%(同72.2%)にあたる117件(同156件)を検察庁に告発した。この
告発率61.9%は、前年度を10.3ポイント下回り、38年ぶりの低水準となった。

 リーマン・ショック以降の経済状況の悪化により、大型の脱税事件が減少し
たことが要因とみられている。告発事件のうち、脱税額(加算税を含む)が
3億円以上のものは前年度を5件下回る10件、脱税額が5億円以上のものは同3件
下回る3件だった。

 近年、脱税額3億円以上の大型事案が減少傾向にあり、23年度の脱税総額
192億円は、ピークの昭和63年度(714億円)の約27%にまで減少している。
告発分の脱税総額は前年度を約56億円下回る157億円、1件あたり平均の脱税額は
同300万円減の1億3,400万円となった。

 告発件数の多かった業種・取引(5件以上)は、「建設業」が9件で最多のほ
か、「商品・株式取引」と「人材派遣業」がともに7件、「食料卸」と「情報
提供サービス」がともに6件、「運送業」と「クラブ・バー」がともに5件で続
いた。経済社会情勢を反映し、21年度15件、22年度13件と、この数年間多かっ
た不動産業が減少する一方、「食料卸」や「情報提供サービス」での告発が目
立った。

最終更新日:2012年07月31日

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