コラム

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国の借金、年度内に1,000兆円突破も

 平成23年度中に、国の借金が1,000兆円の大台を突破する可能性が高くなりました。

財務省の発表によると、国債や借入金、政府短期証券を併せた「国の借金」が、23年3月末で924兆3,596億円に達し、過去最高を更新しました。新規国債発行は最大規模となる44兆円強となり、前年度末比41兆4,361億円増加しました。同省は、23年度末には997兆円を上回るとしていますが、震災復興へ国債増発は避けられそうになく、厳しい財政運営を迫られそうです。

 財務省がまとめた平成22年度末時点での国の借金は、国債が758兆5,690億円(22年12月末比4兆7,610億円増)、政府短期証券が110兆7,847億円(同4,977億円増)、借入金が55兆58億円(同502億円減)でした。国債のうち、普通国債は636兆3,117億円、財投債(財政投融資特別会計国債)は118兆1,918億円。借金の総額を22年12月末と比べると、5兆2,084億円増えました。

 財務省が1月に示した見通しでは、平成22年度末時点での借金残高は943兆円に達するとしていました。借換債(前倒し債)の発行額を補正後予算額の20兆円に対して17兆円に、36兆7,000億円を予定していた赤字国債の発行も34兆7,000億円にとどめたことなどから、これを下回り約924兆円となったものです。ただし、今後、震災復興財源としての国債増発は避けられない状況にあります。

 景気の持ち直しで3月期決算企業の法人税収が回復するとみて、予定していた国債発行を見合わせていましたが、震災の影響で最終的に税収が伸び悩めば、差額分を埋めるため、平成23年度の国債発行額が膨らむと懸念されます。加えて、震災復興のため政府がまとめる同年度第2次補正予算の規模が「20兆円に限りなく近くなる」(民主党の安住淳国会対策委員長)との指摘もあり、年度末の時点で借金が1,000兆円を大きく上回る可能性が高くなりました。

 これで、益々財務省の増税志向は高まるでしょう。

最終更新日:2011年06月24日

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