コラム

多くの会社のお手伝いをしていると、多くの悩みや課題を耳にします。
業種も規模も全然違う会社でも、意外と同じような悩みや課題を持っていることに驚きます。
日頃気づいたこと、目にした情報をコラムとし、少しでも経営者の方々の一助となるような情報を提供してまいります。

法人の消費税不正還付で追徴税額75億円

 消費税は主要な税目のひとつであり、預かり金的な性格を有するため、国民
の関心が極めて高く、税収等の面でもその位置づけが高まっています。このよ
うな状況下、消費税について虚偽の申告により不正に還付金を得るケースが見
受けられることから、企業に対する消費税調査は、ほとんどが法人税との同時
調査ですが、最近は、輸出企業を中心とした消費税単独の不正還付調査が増え
ているようです。

 これは、消費税法では商品の輸出や国際輸送、国際電話、国際郵便などの輸
出取引に該当する場合、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには
課税しないという考えに基づき、消費税を免除していることを悪用し、虚偽の
申告により不正に還付金を得るケースが見受けられるためです。2010事務年度
においては、8,475件の消費税還付法人に対する調査が実施されました。

 その結果、74億9,700万円にのぼる消費税額が追徴されました。また、その
うちの830件は虚偽の申告により不正に還付を受けていたことも判明、
12億6,800万円が追徴されています。前事務年度と比べると、調査件数は15.3%、
不正件数も12.3%それぞれ減少しており、調査による追徴税額は57.7%減
少していますが、今後とも国税当局は消費税不正還付に積極的に取り組んでい
く方針です。

 消費税不正還付の事例をみると、架空の資産を計上し、消費税を不正還付し
たリサイクル業を営むA社の例があります。A社は、新規事業の開始に伴い、実
際は高額の機械装置をリースで導入したのに、帳簿等を改ざんし、自社の機械
装置として架空資産を計上。資産の取得費の全額を課税仕入れとして計上し、
消費税を不正に還付する申告をしていました。法人税についても、固定資産と
して減価償却費を計上していたのです。

最終更新日:2012年01月24日

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